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2012年12月18日

「一票の格差」違憲状態、衆院選無効を一斉提訴

先日、行われた衆議院選挙。
その結果をうけ、みなさんはどのように感じましたか?

投票率は戦後最低の59.32%(12月17日午前総務省より発表、衆議院小選挙区)。
戦後最低と言われた、96年の衆議院選挙の59.62%をさらに下回る結果となりました。
過去最多の12政党が乱立し、さまざまな政策や思惑が交錯するなか、
実に4割以上の有権者たちが、国会議員を選ぶ事が出来る一票を棄権したのです。
有権者たち、とくに若い世代は、日本の政治の在り方そのものに、
強くNOを示したのではないでしょうか。

また、今回の衆議院選挙は「一票の格差」が違憲の状態であるとして、
12月17日に二つの弁護士グループが27選挙区の選挙無効(やり直し)を求めて、
全国の8高裁、6支部に一斉提訴をしました。

私たちは、成人すると男女や立場のべつなく、地方自治体の議員や首長、国会議員を決める
選挙で一票を投じ、自らの意思をそこに反映させることができます。
しかし、現行の選挙制度では、地域によってその一票が必ずしも等しく価値をもつとは言い難い状況が生じています。
ここに生まれている格差を「一票の格差」とよんでいて、その格差が最大2倍を超えないように設定すると、法律で決めています。

ところが、今回の選挙は最大格差2.4倍という違憲状態のまま行われました。
違憲の状態のまま行われた選挙で選ばれた国会議員が、法律を作って国家権力を行使するのはおかしい、として、
弁護士グループが提訴したのです。最高裁が早期に今回の選挙を無効とすることを訴えています。

「一票の格差」を生む選挙制度の是正については、以前から議論されており、
2011年の3月には最高裁大法廷判決で2009年の衆院選を違憲状態と判断し、
抜本的な選挙制度改革がなければ不平等な状態は解消できないと指摘しました。
しかし、国会では各党の思惑が絡み合い、議論が進まない状態でした。
そして今回、野田元総理大臣が解散を表明した途端に、解散直前、
わずか2日でほとんど審議もないまま、小選挙区の選挙制度の改正法を成立させたのです。

法律を成立させたものの、格差を解消させるための新たな小選挙区の区割り作業は間に合わず、
結局、違憲状態とされた前回と同じ区割りのまま行われました。

一人一人がもっている一票に大きな格差があり、違憲状態とされるなかで行われた選挙では、
民意が十分に反映され国会議員が選出されているとは言い難く、
またそのような状態のもとで選ばれた国会議員が法律を作って国家権力を行使していくことは、
是正されるべきことで、より民意を反映した選挙制度にするために一刻も早く改革していくべきだと感じます。

選挙でどの国会議員を選出するかも大切ですが、選挙制度そのものにも目を向けて、
一票の格差を是正し、より民意が反映される制度となるよう改革されることが必要なのだと思います。

政治は遠くにあるものではなく、私たちの日々の生活に大きく影響を与えるものです。
無関心でいるのではなく、国民全体にとってより良い環境となるよう、
積極的に働きかけることが大切なのではないかと感じます。
国とは、限られた特定のひとのものではなく、国民ひとりひとりから成り立っているのですから。

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